第4話

今回の依頼人は末期がんの女性だった。 この女性は昔、ある代議士の愛人だった。そして娘(名前はひろみ)が一人いた。 しかし代議士と別れたときにその娘を連れ去られてしまった。(その代わり100万円もらった) それ以来その娘には頼んでも会わせてもらうことができず、がんで死にそうな今、最後に一度だけ会わせて欲しいというのが今回の依頼内容だった。 ドラマの中では現在選挙戦の真っ最中。別れた代議士も出馬していた。 そこで小早川志緒は次のようなシナリオを立てた。 (1) うぐいす嬢として雇ってもらい代議士に近づく (2) ひろみに「私はあなたの妹でお母さんが死にそうなので会って欲しい」と言って会ってくれるように頼む (1)は1分で成功した。 「君を雇おう」 「うぐいす嬢の志緒」 (2)はその10分後ぐらいに成功した。しかしひろみは母親にひどいこと(※)を言って帰ってしまった。ひろみは母親が自分を100万円で売ったと思っていたのだ。しかし本当はそうではなかった。母親はその100万円を自分で使わず、児童福祉施設「つくしの子学園」に寄付していたのだった。 「お母さん、お姉ちゃんのこと待ってるのよ」 志緒はそのことをひろみに話し、最後はついに母親に会ってもらうことができ今回もハッピーエンドで終わった。 しかしひろみが母親のもとへ行ったときにはすでに母親は息をひきとっていた。 前回の話では最後に会えてから死んだのに対して今回は会う前に死んでしまった。はたして次回はどうなるのか。最初から死んでいるのだろうか？ ちなみに今回のような終わり方は好きだ。完全なハッピーエンドは嫌いである。現実はそう甘くはないのだ。 ※ 「謝ってもらわなくてもけっこうよ。あなたは私の中でとうに死んでるわ。」 「捨てられた5歳のときからあなたの存在は私の中で消えたわ。いいえ消したのよ。消滅させたのよ。あなたは私の過去の汚点。」 「2度と私の前に現れないで。」

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