プリンの冒険 　　第3回 「行ってらっしゃいませ。」 「行ってきマウス。」 次の日プリンはモグラ達に見送られ、ペンションモグラを後にしました。 お土産にモグラまんじゅうをもらいました。 プリンはご機嫌で歌を歌いながら歩きました。 「モグラ、モグラ、モグラ〜、モグラ〜を食べ〜ると〜、アタマ、アタマ、 アタマ〜、アタマ〜が濃く〜なる」 それはアデランスの歌でした。 しばらく行くと道のまん中に立て札が立っていました。 「キケン　クマに注意」 立て札にはそう書かれていました。 「うーん、これはクマった。」 プリンは少し迷いましたが、先へ進むことにしました。 するとクマが出ました。 でも運良く寝ていました。 プリンはクマを起こさないように、そっとおなかを蹴飛ばして、その場を 通り過ぎました。 「ふー、助かった。こんなところにクマがいるなんて、聞いてないよー！」　 プリンはぶつくさ言いながらも先へ進みました。 すると今度は道のまん中に紙切れが落ちていました。 紙切れには次のように書かれていました。 7月3日 この洞窟に入ってから今日で3日目だ。 いまだに手がかりすらつかめない。 本当にこんな所に徳川埋蔵金が眠っているのだろうか。 途中、クマに会ったが、話が通じなかった。 クマった。 どうやら誰かが書いた青春の日記の1ページのようです。 今は8月なので、1か月ほど前のものです。 一体この日記を書いた人は今頃どうしているのだろう。 なぜこのページだけがここに落ちているのだろう。 プリンの頭の中に次々と疑問が浮かんできました。 この先に行けば何かわかるかもしれない。 プリンはそう思いました。 「よーし、急がば回れ、くるくるるん。ぴゅー！」 そう言ってプリンはさらに奥へと走って行きました。 ことわざの意味はよく知らないプリンでした。 つづく

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